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シューバッハの特殊能力…それは「聴いたもの」を何でも「分析する」能力ッ!

Re:4度から始める異世界コーラス!独特の雰囲気を生み出している秘密とは?

 
こんにちは、シューバッハです。
今回はリクエストがあったので
TVアニメ 
「Re:ゼロから始める異世界生活」
のEDの分析をしてみたいと思います!
 
 
 
 
 
 
<Re:ゼロから始める異世界生活ED「STYX HELIX」>
 
 
 
どこか浮遊感のある曲ですね。
不思議な雰囲気に包まれる感じがします。
 
この曲想を生み出している要因として、
 
・五音音階(ペンタトニックスケール)
・4度ハモり
 
この2つが主なポイントだと思います。
 
 
それでは順番に解説していきます。
 
 
 
 
 
 
 
<①ペンタトニックスケールの使用>
 
ハナヤマタのOPを分析した時にも少し触れましたが(参照)、
この曲でもヨナ抜き音階のような
五音音階(ペンタトニックスケール)が使われています。
 
と言いつつも、
実は細かく音を拾っていくと完全な五音音階ではなく、
短調なのでマイナーペンタトニックスケールと言うのが普通ですが、
曲全体を通してメロディがなるべく5つの音をメインに使っているのは確かです。
でもこの曲はハナヤマタと違って和風には聴こえませんよね。
 
五音音階は日本固有の音階だと思われがちですが、実際には色んな国の音楽で使われています。
音階について細かい説明をし始めるとキリがないので割愛しますが、
要するにヨナ抜き音階にしろ何の音階にしろ、五音音階(ペンタトニックスケール)は異国情緒溢れる雰囲気を作り出すのによく使われるということです。
 
 
 
 
<②意図した4度ハモり>
 
ハモりについて説明する前に、
omit 3rdというコードを知っておきましょう。
 
omit 3rdというのはコード表記の一種です。
あまり見慣れないかもしれませんが、
トライアドの第3音を鳴らさないコードのことを示します。
つまりC omit 3rdと書いてあったら
構成音のド,ミ,ソのうち第3音(3rd)である
を弾かずにだけ弾くということです。
つまり5度、もしくは転回すると4度で重なる音だけが残ります。
 
そして3rdが鳴らないということは、面白いことが起こります。
どのコードを弾いても3rdが鳴ってないのでメジャーコードなのかマイナーコードなのか分からないんですね。
つまり長調短調の区別が付きづらいのです。
その結果として
omit 3rdは独特な雰囲気、浮遊感のような印象が生まれるという訳です。
長調や短調の概念が崩れるということは、
無調に向かうか、もしくは教会旋法民族音楽の世界になります。
 
一般的に歌にハモりをつけるとなると
3度(6度)で音が溶け合うようにハモることが多いかと思いますが、
この曲はハモりに4度を応用することで
民族音楽風の不思議な曲想を出しています。
Aメロで良く使われていますね。
 
 
しかし4度でハモりをつけていくと
ひとつの問題が発生します。
それは増4度です。
増4度は非常に不協和な音程とされているため、
7thコードでもない限り避けたほうが無難です。
 
そこでこの曲では上手いことに、
ペンタトニックスケールを使っているおかげで
増4度音程が出来ないようになっています!
こういうところにもペンタトニックスケールの利点があるんですね!
 
 
 
 
 
 
まとめると
 
・五音音階(ペンタトニックスケール)による増音程の回避
・4度ハモりによる民族音楽風のアプローチ
 
この2つのテクニックにより、
この曲の雰囲気や世界観を作り上げているということです!!
 
 
 
教会旋法や様々な国の音階は
調べてみると意外とアニソンに取り入れられている気がします。
アニメの世界は無限大ですからね!
いろんなジャンルの音楽が混在しているのが
アニソンの面白いところです!
 
 
 
また分析してほしい曲やリクエストなどありましたら
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シューバッハ(@schu_bach)