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シューバッハの特殊能力…それは「聴いたもの」を何でも「分析する」能力ッ!

導き出される構成は…!?革命機ヴァルヴレイヴのOP・EDから学ぶ楽曲構成の面白さ

 

こんにちは。

最近DQMSLでデスピサロを新生転生させたら

めちゃくちゃ強くなって嬉しいシューバッハです。

 

 

今回はTVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」というホモアニメの

汚名を今こそ晴らすべく、

OPとEDから曲を抜粋して

楽曲構成の面白さ

目を向けてみようと思います。

 

楽曲構成とは

Aメロ → Bメロ → サビ

などといった曲の流れのことです。

 

 

ちなみに僕はヴァルヴレイヴだと

流木野サキちゃんが好きです。

(名前が思い出せなくてググったのは内緒)

 

 

 

※以下解説です。

今回は特にコード進行等には目を向けません。

あくまでもメロディの出し方や順番など、

大まかな楽曲の流れを見ていきます。

 

 

 

 

今回取り上げる曲はこちらの3曲です。

 

 

<TVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」1期OP 〜Preserved Roses〜>

 

 

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<TVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」2期OP 〜革命デュアリズム〜>

 

youtu.be

 

 

 

<TVアニメ「革命機ヴァルヴレイヴ」2期ED 〜赤いメモリーズをあなたに〜>

 

赤いメモリーズをあなたに by tomeebs 音楽/動画 - ニコニコ動画

 

 

 

 

さて、この3曲、

1つの共通点があります。

 

何だかお分かりでしょうか?

 

 

 

正解は、

3曲とも歌から曲が始まっている

ということです。

 

「な〜んだ、そんなことか。」

「言われてみれば…まぁ…」

 

といった反応が多数かと思います。

実際のところ

歌から始まる曲なんて

この世にはたくさんありますし、

特に珍しいことでもありません。

 

しかしこの3曲、

同じことをやっているように見えて

実は全く異なる考え方で曲が組み立てられているのです。

 

どういうことなのか、曲を聴きながら見ていきましょう。

 

 

 

<パターン①〜Preserved Roses〜>

 

まず便宜上、

イントロの前に入る歌のメロディを

プレ・イントロ

とここでは呼ぶことにします。

この曲でいうと一番最初の

「短い夢を重ねて〜」の部分です。

(歌の前に4小節ありますが、

そこも含めてプレ・イントロとします。)

 

 

そして1番までの曲の流れを整理すると

 

導き出される構成は…

 

プレ・イントロ→イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ

 

という流れになっているのがわかると思います。

 

そしてこの曲のプレ・イントロの歌のメロディ、

プレ・イントロ以外の部分でも使われていないでしょうか?

 

そうです、サビと同じメロディですね。

歌詞も同じなのですぐに気付けるかと思います。

 

プレ・イントロ→イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ

 

最初に提示したメロディがサビで帰ってきた、という感じですね!

 

それでは次の曲。

 

 

 

<パターン②〜革命デュアリズム〜>

 

かっこいい曲ですね〜。

では先ほどと同じように1番までの流れを整理してみまししょう。

 

導き出される構成は…

 

プレ・イントロ→イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ

 

Preserved Rosesのときと同じ構成ですね。

 

しかし、プレ・イントロのメロディを意識しながら

聴いてみるとどうでしょう。

 

そうです、この曲のプレ・イントロのメロディは

Bメロで使われています!!

ここがPreserved Rosesと大きく違う点ですね!

 

プレ・イントロ→イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ

 

Bメロ後半ではプレ・イントロのメロディが

さらに変化し、サビへの繋ぎとして

最高の盛り上がりを演出しています。

 

ヴァルヴレイヴ、最高!!!

ブリッツンデーゲン!!!

 

 

 

 

<パターン③〜赤いメモリーズをあなたに〜>

 

3曲目です。

1番までの流れを整理してみましょう。

 

導き出される構成は…

 

Aメロ→Bメロ→サビ

 

「おい!プレ・イントロないのかよ!w」

と、

1番までしか聴かないと、プレ・イントロ無しの構成かと勘違いしてしまうと思います。

しかし2番まで聞いてみるとどうでしょう。

曲の冒頭にあった

「流れ出した時だけが〜」

と同じメロディが2番には使われていません

この部分はAメロじゃなかったんですね!

 

1番の

「おやすみなさい 瞳をとじるけど〜」

と同じメロディの

「出会いだけが 輝いたわけじゃない〜」

から2番は始まっています。

つまりここのメロディがAメロということです。

 

整理します。

 

導き出される構成は…

 

1番

プレ・イントロ → Aメロ  →  Bメロ →サビ→

(流れ出した〜)   (おやすみ〜)

 

2番

プレ・イントロ → Aメロ  →  Bメロ ……続く

(※2番では無し)  (出会いだけが〜)

 

 

といった構成になってます。

 

えっ、じゃあ、この曲は

プレ・イントロと同じメロディが

曲中で出てこないのか〜

 

と思いますよね?

 

ところがどっこい、

この曲を最後まで聴いてみましょう。

 

 

 

 

……プレ・イントロと同じメロディが

再び出てきましたね?

 

なんとこの曲、プレ・イントロのメロディを

曲の最後にもう1度持ってきてます。

 

プレ・イントロ→1番→2番→Cメロ→大サビ→ラスト

 

まるで序盤に出しておいた伏線を

物語のラストで回収するSFアニメのようですね!!

おかげで曲もしっかりとまとめられた気分になりました!

 

 

 

 

 

こうして見てみると、作曲家の方々が

最初から最後までの流れを考えて

計算して曲を作っているんだなぁ、

ということがよくわかると思います。

 

イントロひとつ取ってみても

これだけのパターンがあるので、

他の部分にも目を向けると

さらなる発見があると思います!

今まで何気なく聴いていた曲でも

カッコよく聴こえる秘密が

実は楽曲構成にあった!なんてこともあるかもしれません。

 

音符やコードが読めなくても音楽は楽しいですね!

ヴァルヴレイヴも、OP・EDを聴いているだけで

すでに面白いアニメになってきました!

 

皆さんも気になったら

是非ヴァルヴレイヴを見てみてください!

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

個人的にはヴァルヴレイヴより

ガルガンティアのほうがオススメです

 

 

 

 

シューバッハ(@schu_bach)

 

 

ハナヤマタ「花ハ踊レヤいろはにほ」のイントロとサビのコード比較

はじめまして、シューバッハです。森永の練乳のこと考えながら曲作ったりしてます。

このブログでは個人的に「面白い!」と思ったアニソンの楽曲分析やコード進行について
僕なりの考えを書いていくつもりです。
音楽の解釈というものは人それぞれの捉え方があると思うので、
そういう考えもあるのかぁ、
くらいの気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。

あとアニソン以外の曲でも面白いと思ったら何か書くかもしれません。
基本的に気分次第です。

それでは本題…


…おあがりよ!

 

 

 

<TVアニメ「ハナヤマタ」のOP 〜花ヤ踊レヤいろはにほ〜>

 

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なんで今さらハナヤマタなんだよ!w

というツッコミはアクションマジック「回避」!で無効にします。

 

ブログのタイトルでも言っていますが、
この曲の一番面白いところはイントロのコードとサビのコードの違いだと思います。
僕が初めて聴いたときはAメロのクリシェ東京ミュウミュウのOPのコード進行と似てるかな?
と思って鍵盤でコードをさらっていたのですが、
弾いてみてやっとイントロとサビの面白さに気がつきました。
(弾かなくても聴くだけで気付ける音感が欲しい…)

 

※以下、解説になりますが
ピアノなど弾きながら確認していくとわかりやすいと思います。
出てくる用語でわからないものはググると大体出てくるはずです。

 

 

まずはイントロ4小節のコード進行です。

(key:A♭)
D♭△7 E♭7/D♭    Cm7   Fm7
Ⅳ△7 → Ⅴ7/Ⅳ  → Ⅲm7  → Ⅵm7

いわゆる歌モノで良く使われるⅣ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵの進行ですね。

 


続いてサビの4小節のコード進行です。

(key:E♭)
A♭△7 A♭m△7  Gm7    G♭dim7
Ⅳ△7 → Ⅳm△7 → Ⅲm7→ Ⅲ♭dim7

サビも冒頭と同じくⅣ△7から入りますが、その次から変わっていますね。
サブドミナントマイナー(Ⅳm△7)を経由したのち、
ベースが半音下降していきます。ン〜いい響きだ

 

ここですでに僕が言わんとしていることに気がついてる方もいるとは思いますが、
わかりやすくするために少し咀嚼してみます。
サビのコード進行もイントロと同じⅣ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ
リハーモナイズ(メロディは変えずにコードを変える)してみましょう。

(key:E♭)
A♭△7 B♭7/A♭ Gm7  Cm7
Ⅳ△7 → Ⅴ7/Ⅳ  → Ⅲm7 → Ⅵm7

すると、イントロと同じ進行にしたはずなのに、実際のコードはイントロとは違うコードになっています。
答えは簡単、イントロとサビではキーが違うからです。

さぁ、ではここでイントロとサビの歌のメロディを確認してみましょう。

 

 

 

 

何・・・だと・・・?

 

 

 


気づきましたか?
そうです、この曲、
キーが変わっている(転調している)のに、イントロもサビもメロディは同じ音( 移調されていない)なんです。
しかし不思議とどちらのキーで弾いてもメロディとコードの構成音がぶつかりません。

この曲はハナヤマタというアニメの雰囲気に合わせて
「ヨナ抜き音階」という日本音階を使ってメロディが作られています。
ヨナ抜き音階はその性質上、
半音で隣り合う音が無いので、他の音階に比べて濁った響きを避けやすいです。
(アクションマジック回避!)

そのため、複数のキーのダイアトニックスケールとして扱うことも出来、
ハーモニーのパターンにも幅が生まれてくるというわけです。


僕は相対音感なので曲中で転調が起こるとわりとすぐに気がつくのですが、
メロディにピボット的な役割をもたせて転調をする曲は
今まで聴いてきたアニソンの中でこの曲以外記憶にないです。
他にもあったらどなたか教えてください。

それにしてもこの曲を作られたMONACAの田中さん、流石ですね・・・


Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵの進行自体は
深夜アニメでいうところのノイタミナ枠のようなもの(?)なので、
適当に最近流行ってる曲を色々聴けば
このコード進行が使われている曲とはすぐに出会えると思います。
そこで
「あまりにも周りが使っているから、
自分は曲を作るときにⅣ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵを使わずに個性を追求してみせる…!」
という気持ちはわかりますが、それは違うと思います。
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵが当てはまるメロディなら使ったほうがいいです。

綺麗ですから。

ガンガン使っていきましょう。


「花ヤ踊レヤいろはにほ」のように
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵを基準にしつつも、
転調したり、
代理コードに変化させてみたり、
リハーモナイズしてみたり、
色んな工夫を施すことで耳に馴染みのあるコード進行が

こんなにも美しい響きになります。

 

このブログで解説した部分以外にも

素敵なコード進行が散りばめられている曲なので、
皆さんも是非分析してみてください。

 

お粗末!!!


シューバッハ(@schu_bach)