シューバッハは静かに暮らしたい

シューバッハの特殊能力…それは「聴いたもの」を何でも「分析する」能力ッ!

「君の名は。」感想(ネタバレ有り)


久しぶりのブログが映画についての感想でアレなんですが、思うところが沢山あったので独り言を書いてみようと思います。


タイトル通り、今絶賛上映中の「君の名は。」を見てきたのですが、これから書く感想にはもちろんネタバレを含みますので、まだ見てない方には読まないことをオススメします。









1回しかまだ観てませんが、
結論から言うと、この作品はとてもとてもとても良かったです。
個人的にここ最近見たアニメの中で1番好きかもしれません。
しかし僕の性分で、好きなもの(映画に限らず)は必ず
「こういうところが良かった、でもこういうところは良くなかった」
という点をハッキリと自分で分析して理解してから、その上で全部ひっくるめて好き、と言いたいので、少し批判的な内容も含むことになります。
でも繰り返しますが、僕はこの作品が本当に良かったと思っています。
決して叩いてるわけではなく、曲を分析するような気分で書いているだけなのでそこんところお願いします。



<良かったところ>
・ストーリーが二転三転しつつも見事にハッピーエンドで終結した
・細かい所作の積み重ねが各キャラクターの人間性を作り上げていた
・音楽が挑戦的だった
・(言うまでもなく)作画が良かった



ストーリーに関してはあまり説明も要らないと思います。作品を観たならその素晴らしさは体感出来たと思います。
強いて言うなら終盤で三葉が父親を最後の説得に言ったシーンでぶん殴ったりすれば気持ち良かったのになと思いました。
ああいう大人は歯食いしばって修正してやれば良いんです(修正パンチ?

細かい所作がキャラクターを作り上げていたのはジブリに近いものを感じました。
物語冒頭から一貫して三葉は自分の髪を触るのが癖だったり、瀧と三葉が山頂で初めて会えた時に瀧はあえて抱きしめなかったり、心情から来る行動が魅力的なキャラクターを確立させていました。
特に「髪を気にする三葉」というキャラクター性は、後々髪を切ったシーンでの衝撃やショックもより大きいものとなるので、とても効果的だったと思います。


作画の良さは言うまでもなく、
やはりこの作品の目玉は音楽の面白さでしょう。
RADWIMPSの挿入歌が随所に流れ、ファンにとっては堪らない演出だったのではないでしょうか。
流れ出すタイミングも絶妙、観ている側が圧倒されるくらい豪快なサウンドで、劇伴音楽にしてはとても挑戦的で面白かったです。





<良くなかったところ>
RADWIMPSじゃなくても良かった


おいおいお前さっき音楽ベタ褒めしてたやんけ!w
とツッコミが入りそうですが、この作品は良くも悪くも音楽の力に左右される場面が多かったな、というのが僕の感想です。
あと僕自身がRADWIMPSを嫌いなわけでもありません。
今から7,8年前くらいにドハマりして毎日狂ったように聴きまくってました。
今でも好きなバンドです。

まず根本的な問題として、劇伴音楽と一般的なアーティストの音楽というものは、全く別物です。
なぜなら曲を作るプロセスや考え方が違うからです。
劇伴音楽はストーリーやシーン、背景や心情に合わせて曲を作ります。その上で作曲家それぞれの個性やサウンドを盛り込んでいきます。
しかしアーティストは自分の音楽を表現することに長けた人達です。劇伴音楽のようにシーンに合わせた曲を書こうとしても面白くない曲が生まれてしまったり、逆に欲しくないところでどうしても抑えきれない個性が曲に溢れてしまったりします。
どちらが良い悪いというのではありません。
音楽にサカナクションを起用したバクマン。という映画もありましたが、やはりアーティストを音楽に起用するのは難しいなと感じました。
もちろん今回の作品も音楽が悪かったとは思えません。
けれども見終わってみると、「この作品はRADWIMPSじゃなきゃダメだった」と思えるほどのハマりっぷりは感じませんでした。
良かったけれどもベストではなかった、といった感じです。

具体的に言うと不可解だったのは、
日常シーンで使われていたピアノと弦のインスト曲。(伝われ
この曲は劇中で3回くらい使い回されていたと思うのですが、誰かのテーマ曲であるわけでもなし、キャラの心情に寄り添う音楽でもなし、てかこれ本当にRADWIMPSが作ってんの?って感じでした。

もうひとつあります、
三葉の中に入った瀧とてっしー達が変電所に爆弾を仕掛ける作戦会議を始めるシーンの曲です。
曲単体として聴けばめちゃくちゃカッコいい曲だったと思います。
でも完全に凛として時雨のパクりみたいなサウンドでした。
僕が聴きたかったRADWIMPSはこれじゃありません。ストーリーに個性が潰されてしまって残念です。
「ます。」のイントロでも流したほうがまだ良かったと思います。


そして肝心の歌。
歌に関しては流石にRADWIMPS、という感じがしました。
しかしどうでしょう、主題歌含め5曲もの曲が全て必要だったでしょうか?
5曲も使ったわりには伝えたいことが何だったのかイマイチ分からなかったことです。
逆に言えば5曲も使うから何を伝えたいのか分からなくなってしまったとも思います。
ストーリーには幾つかのテーマが内包されていました。

・瀧と三葉の入れ替わり
・2人の名前
・「つなぐ」ということ

等が挙げられると思います。
しかしそれぞれのテーマを伝えるために5曲もの歌が必要だったとは思えませんでした。
結果としてストーリーを最後まで観ればこの作品が伝えたかったテーマを自分の中で補完出来たので良かったですが。


長くなりましたがまとめると
「普通の劇伴音楽の中でRADWIMPSの曲を少し多めに使ってみた」
くらいの印象です。
RADWIMPSの良さも失われ、ストーリーとしても音楽を活かしきれなかった、そんな結果になってしまったと思います。


ここまで文句を垂れておいてなんですが、今回のような音楽の在り方は嫌いじゃないし、むしろ好きです。
でも僕個人の好みと作品の良し悪しはまた別のお話、というわけです。

(ミュージカルは別として)普段の劇伴音楽の中で歌が何曲も使われない理由がよく分かる作品であり、
それと同時に歌はまだまだ人の心に強く干渉できる可能性を秘めているな、と感じさせてくれた作品でした。








シューバッハ(@schu_bach)


メジャースケールにシュガーソング、ブルース&ビターステップ

 
どうも、シューバッハです。
最近のジャンプでの食戟のソーマが面白すぎて僕も料理をしたくなってきました。
ちなみに僕は香りを制することで料理を制するタイプのオタクです。
よろしくお願いします。(?)
 
 
 
さて、では今日も食戟…ではなく分析をしていきましょう。
今回分析する曲はコチラ。
 
 
美味しそうな曲名ですね。食戟がしたくなってきました。
ちなみにこの曲は血界戦線というアニメのEDにもなってます。
最終回のアツさが忘れられないアニメでした。
 
ところで皆さん、
楽器を弾く人や曲を作る人ならスケール(音階)というものはご存じかと思います。
実はこのシュガーソングとビターステップという曲には、スケールに関する面白い仕掛けが施されているのです。
 
ではどういった仕掛けなのか、具体的に解説していきます。
 
 
 
<2つのスケール>
 
この曲には2つのスケールがメインで使われています。
まずひとつは
①メジャースケール
です。
メジャースケールといえば基本中の基本、いわゆる
(Key:Cにおける)ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ
のことですね。
長調の曲で使われる1番オーソドックスなスケールです。
 
そしてもうひとつは
②マイナーブルーススケール
です。
これもロックにおいて基本のスケールです。短調で使われます。
(Key:Amにおける)ラ,ド,レ,レ♯,ミ,ソ,ソ♯
ですね。
このスケールを使うといかにもロックのカッコいい雰囲気が出ます。
 
 
しかしここで疑問が。
 
マイナーブルーススケール短調で使うスケール。
短調のスケールを長調の曲でどうやって使うの?
 
って話です。
 
 
 
考えられる可能性としては
 
・平行短調で使う
長調から短調に転調する
 
のどちらかじゃないかな〜と思います。
 
 
結論から言ってしまうと
シュガーソングとビターステップの場合は後者に近いです。
ですが、この曲は途中で転調しているようには聴こえません。
 
 
ではどのようにマイナーブルーススケールを使っているのか?
サビのメロディに注目してみましょう。
 
Key:F#のメジャースケールを使って作られているメロディです。
綺麗なメロディだと思います。
しかしサビの最後の2小節を見てみると、
Key:F#mのマイナーブルーススケールが使われていますね!
(歌詞でいうと「I feel 上々 連鎖になってリフレクト」の部分です)
この後はまたKey:F#でメジャースケールに戻ります。
 
ここだけ見ると同主短調に転調しているように見えますが、たった2小節なので転調とは言いがたいです。
 
これは恐らく
モーダルインターチェンジの考え方に近いものだと思います。
モーダルインターチェンジといえばコード進行のレパートリーの1つとして覚えてる人も多いと思いますが、
コード進行だけではなくスケールに関しても同じことが言えるということです。
 
要するに
「同じ音を主音に持つスケール同士は行ったり来たりしやすい」
ってことですね。
しかも転調する際に必要な特殊なコード進行等も必要とせず、
いきなりスケールチェンジしてもわりと許容できます。
 
 
前回のブログで紹介したドリアンスケールを取り入れている曲もそうです。
同じ音を主音に持つマイナースケールドリアンスケールを行ったり来たりしてます。
 
 
この曲を書いたのはUNISON SQUARE GARDENのベース担当でもあり、ほとんどの曲の作曲をしている田淵さんですが、
実は他にもメジャースケールマイナーブルーススケールを合わせて使ってる曲があります。
 
 
ギミー!レボリューションという曲です。
歌っているのは内田真礼さんという声優の方ですが、作曲は田淵さん。
この曲も長調ですがサビの後半で2小節だけマイナーブルーススケール使ってます。
(歌詞でいうと「今日もS.O.S.」のところです)
やっぱりサビの締めに一瞬スケールチェンジをすると、意外かつカッコよく聴こえますね。
メジャースケールとマイナーブルーススケールの組み合わせは田淵さんの得意技なのかもしれません。
 
 
いろんなスケールを知っていると組み合わせ次第で
面白いサウンドが生まれるんですね。
他にも面白いスケールの使い方があったら
またこのブログで紹介してみようと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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シューバッハ(@schu_bach)
 

ドリアンスケール中毒になりたい人のために

 
こんにちは、シューバッハです。
最近ハマっていることはスマホゲーの事前登録です。


さて、今回はドリアンスケールを使っているアニソンをひたすら紹介する感じになります。
紹介する前にドリアンスケールについて
サラッと確認しておきましょう。


 
 
 
<そもそもドリアンスケールとは何なのか>
 
簡単に説明しますと、
教会旋法のひとつです。
 
教会旋法とは現在で言う長調短調といった調性音楽の考え方が確立する前の時代から使われていた音階(スケール)のことで
ReゼロのEDを解説した時にも少し触れましたが、
その名の通り教会音楽で使われていたのはもちろん、
民族音楽などにも良く使われています。
ひとつひとつの旋法全てを説明するのは長くなりすぎるので、
ドリアンスケールだけに絞ってみようと思います。
 
まず、なぜ数ある旋法の中からドリアンスケールを選んだのかと言うと、
昨今のアニソンで頻繁に取り入れられているのがドリアンスケールだからです。
 
厳密にはこういう言い方をするのは語弊があるのかもしれませんが、
ナチュラルマイナースケールの第音が半音上がった音階が
ドリアンスケールです。
レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ,ド,レという並びと同じ音階です。
長調短調の世界に慣れている人からすると
終始音(主音のような音)が、というのは想像しづらいかもしれませんが、
実際アニソンで取り入れられているドリアンスケール
借用和音のように曲中で一瞬使われるくらいのもんです。
大抵は何かしらのマイナースケールを軸にドリアンスケール
行ったり来たりして使われる感じですね。
 
 
それでは曲の紹介に入りますが、
今回は解説メインではないので悪しからず。
 
「この曲もそうなんだ〜」くらいの
気持ちで見ていただければなと思います。
 
 
 
 


水樹奈々『ETERNAL BLAZE』(NANA MIZUKI LIVE CIRCUS 2013 in 西武ドーム)

 

言わずと知れた名曲ですね〜!

Aメロとサビのメロディが

ドリアンスケールを行き来してます。

 

 

 

茅原実里Paradise Lost」>


Minori Chihara茅原実里 / Paradise Lost

 

名曲がどんどん出てくる…

この曲のサビにもドリアンスケールが出てきます。

メロディの音を拾ってみるとわかると思います。

 

 

 

<宮野 守 「オルフェ」>


【うたプリ】一期 オルフェ

 

カッコいい曲ですねぇ。

この曲ではAメロで使われています。

ドリアンスケールってロックなサウンドと

非常に相性が良いことがわかりますね。

 

 

 

革命機ヴァルヴレイヴ2期OP 「革命デュアリズム」>

youtu.be

 

一度ブログで紹介しました、革命デュアリズムです。

以前は楽曲構成についてしか触れていなかったと思うので、

また取り上げてみました。

Aメロでドリアンスケール

 

 

 

水樹奈々Synchrogazer」>


Nana Mizuki - Synchrogazer

 

またもや水樹奈々さんです。

Aメロとサビの途中でドリアンスケールが登場していますね。

 

 

 

 

さて、もう気が付いた方もいるのではないでしょうか。

これまで紹介してきた5曲、

実はドリアンスケールが使われていること以外に

もう一つ共通点があります。

 

それは

全てElements Gardenが作曲している

曲だということです。

 

恐らく楽曲に自分たちの色を出すため、

なるべくドリアンスケールを使って曲を書くことに

しているのではないかと思います。

面白い試みですよね。

 

もちろんエレガ以外でも

ドリアンスケールを使って作っている作曲家の方はたくさんいますが、

ここまで多用しているのは意図的にやっているとしか思えません。

実際僕の中では

「アニソンでドリアンスケールといえばエレガ」

くらいの印象になっています。

 

教会旋法を用いた個性の出し方というのは

非常に参考になりますし、教会旋法以外にも

この世にはたくさんの音階が存在します。

アニソンにはそれらの音階を取り入れることのできる

可能性があるということです。

 

皆さんも曲を作る際には

自分の好きな音階を見つけて作ってみてはいかがでしょうか!

 


以上、ドリアンスケールを使っているアニソンの紹介でした。

 

 

 

 

 

 

 

 



シューバッハ(@schu_bach)

キルミーのOPは本当にベイベーなのか、分析してみた。

 
どうも、シューバッハです。
 
今回は「キルミーベイベー!」というアニメのOPを分析してみたいと思います。
 
とてもキルミーベイベーなアニメとして有名ですが、
キルミーでハイセンスな歌詞とベイベーでクールなサウンドで
多くのアニメファンを魅了(キルミーベイベー)しました。
 
 
しかし、
改めてこの曲と向き合ってみると思うのです。
 
 
 
 
 
 
 
「この曲……
……果たして本当にキルミーベイベーなのか…?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正直僕も何を言ってるのか分かりませんが、
とにかく分析してみましょう。
 
 
 
 
 
アニソンとしてはかなり尖った曲になってますね。
人によっては受け入れがたいサウンドかもしれませんが、面白い曲だと思います。
 
まず大まかな楽曲構成を見てみると
 
イントロ
Aメロ(キルミーベイベーどしたの……〜
↓(8小節)
Bメロ(いつもオンサイト……〜
↓(8小節)
Cメロ(ガチすぎてギリギリ……〜
↓(?小節)
Aメロ(キルミーベイベーあそぼよ…〜
↓(8小節)
Bメロ(いつもオールライト……〜
↓(8小節)
間奏
↓(8小節)
Aメロ(キルミーベイベー今度は……〜
どーん!!
 
 
 
まず構成の点から考えてみると、
通常の歌モノでは必ずと言っていいほど存在するはずの
サビが見当たりませんね。
強いて言えばCメロの部分がサビに当たるのでしょうが、
サビにしては変拍子で分かりにくいメロディですし、
Cメロと呼ぶことにしました。
 
 
ではそれぞれの部分を詳しく見ていきましょう。
 
 
 
<イントロ>
 
キルミーの登場人物であるソーニャちゃんというキャラの設定について説明しておきます。
ソーニャちゃんは殺し屋をやっている女子高生で、金髪ツインテールの外国人です。
国籍は不明なのですが、金髪と殺し屋という設定からして恐らくあの寒い国の出身だと予想が出来ます。
そこでこの曲はその某国の伝統的なダンスから着想を得たのでしょう、
イントロの頭から入ってくるアコーディオンの音色や軽快なテンポ感は、
まさしく民族音楽の影響が現れている証拠です。
 
キャラクターの設定とマッチングした見事なイントロ、
最高にキルミーベイベーですね。
 
 
 
 
<Aメロ>
 
さて、イントロより難解になっています。
というかこのAメロこそが曲のイメージを難解にしている原因かと思われます。笑
なぜならイントロやBメロ、Cメロとは違って
Aメロだけ調性が曖昧になっているからです。
ベースが半音階で行ったり来たり、
メロディも歌っているというよりはリズム付きのセリフといった感じですね。
 
ではなぜそんなアプローチをしているのでしょうか?
 
 
理由として考えられるのは、このアニメのタイトルでもある
キルミーベイベーというキーワードを視聴者に1度聴いただけで
覚えて欲しいからではないでしょうか。
実際どうでしょう、先ほど「Cメロがサビに当たるかもしれない」と書きましたが、
例えばこの曲を1度聴いた人がまず口ずさむとしたらそれはCメロではなく、
やはりAメロの「キルミーベイベー!」の部分を思わず歌ってしまう人が
多いと思います。
あえて難解なサウンドと一緒に合わせることで「キルミーベイべー」という
単語をキャッチーにしているのです。
 
逆転の発想にも近いキャッチーなメロディ、わさわさしてきました…!
 
 
 
<Bメロ>
 
メロディラインが明快になり、調性が安定します。
ただ、全音音階(ホールトーンスケール)を挟んでいたりするので
若干わかりづらい感じもしますが、ここで使われているaugは
ドミナントの第5音が上方変位した和音が鳴っていると考えると
調性が失われている感じはしません。
 
調性が安定したイントロとBメロに対し、
Aメロとこの後に出てくるCメロが不安定な部分だとすると、
この曲は
 
安定→不安定→安定→不安定→…
 
と、安定と不安定を交互に繰り返す構成になっているのがわかると思います。
これにより楽曲全体に大きなうねりをもたらし、
聴いている人の心を揺さぶります。
 
ここまで聴いた時点で
あなたはすでにキルミーベイベーの虜になっているのです。(?)
 
 
 
 
 
<Cメロ>
 
 さて、問題の変拍子パートです。
僕は変拍子がめちゃくちゃ好きでプログレとかも良く聴くんですが、
ぶっちゃけ変拍子の分析って何をすればいいのか良く分かりません。笑
民族音楽のように一定のグルーヴやノリが感じられる混合拍子の場合は別ですが、
それ以外のジャンルの変拍子なんて聴いててカッコよければいいのでは?
と思うことが大半なのです。
 
が、
 
しかし、この曲の変拍子に関しては
分析してみると面白いことがわかりました。
 
拍子ではなく、歌詞に注目してみましょう。
 
 
ガチ すぎて ギリギリ ともすれば
ピロシキ もとい では? アウチ なかよし
コボルスキ みぞおち フォリシッ!!
 
 
うーん、
歌詞を見ただけでは意味がわからないですねw
 
しかし、こうしてみるとどうでしょう?
 
 
ガチ|すぎて|ギリギリ|ともすれば|ピロシキ|もとい
では|アウチ|なかよし|コボルスキ|みぞおち|フォリシ
 
 
気が付きましたか?
そうです、この変拍子には規則性があったんです。
単語ごとに区切ってコードが変化しているので
もしやと思ったのですが、単語ごとに8分音符の数を書いてみると
 
2|3|4|5|4|3 
2|3|4|5|4|3
 
8分音符2拍から1拍ずつ増えていき、
5拍まで増えたらまた1拍ずつ減っていく…
なんとも美しく計算し尽くされた
変拍子だったのです!
 
こんな仕掛けがされていたとは…
言葉も出ませんね。
この素晴らしさを表すことの出来る言葉があるとすれば
それはやはりこれしか無いんでしょうね…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「キルミーのベイベー」、いかがだったでしょうか。
分析を通して、この曲が果たして本当にキルミーベイベーなのか、
皆さんの心に少しでも答えが出たのなら幸いです。
ちなみにOPほどパンチのある感じでは無いですが
EDも不思議な中毒性のある曲なので、
是非聴いてみてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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シューバッハ(@schu_bach)
 
 

Re:4度から始める異世界コーラス!独特の雰囲気を生み出している秘密とは?

 
こんにちは、シューバッハです。
今回はリクエストがあったので
TVアニメ 
「Re:ゼロから始める異世界生活」
のEDの分析をしてみたいと思います!
 
 
 
 
 
 
<Re:ゼロから始める異世界生活ED「STYX HELIX」>
 
 
 
どこか浮遊感のある曲ですね。
不思議な雰囲気に包まれる感じがします。
 
この曲想を生み出している要因として、
 
・五音音階(ペンタトニックスケール)
・4度ハモり
 
この2つが主なポイントだと思います。
 
 
それでは順番に解説していきます。
 
 
 
 
 
 
 
<①ペンタトニックスケールの使用>
 
ハナヤマタのOPを分析した時にも少し触れましたが(参照)、
この曲でもヨナ抜き音階のような
五音音階(ペンタトニックスケール)が使われています。
 
と言いつつも、
実は細かく音を拾っていくと完全な五音音階ではなく、
短調なのでマイナーペンタトニックスケールと言うのが普通ですが、
曲全体を通してメロディがなるべく5つの音をメインに使っているのは確かです。
でもこの曲はハナヤマタと違って和風には聴こえませんよね。
 
五音音階は日本固有の音階だと思われがちですが、実際には色んな国の音楽で使われています。
音階について細かい説明をし始めるとキリがないので割愛しますが、
要するにヨナ抜き音階にしろ何の音階にしろ、五音音階(ペンタトニックスケール)は異国情緒溢れる雰囲気を作り出すのによく使われるということです。
 
 
 
 
<②意図した4度ハモり>
 
ハモりについて説明する前に、
omit 3rdというコードを知っておきましょう。
 
omit 3rdというのはコード表記の一種です。
あまり見慣れないかもしれませんが、
トライアドの第3音を鳴らさないコードのことを示します。
つまりC omit 3rdと書いてあったら
構成音のド,ミ,ソのうち第3音(3rd)である
を弾かずにだけ弾くということです。
つまり5度、もしくは転回すると4度で重なる音だけが残ります。
 
そして3rdが鳴らないということは、面白いことが起こります。
どのコードを弾いても3rdが鳴ってないのでメジャーコードなのかマイナーコードなのか分からないんですね。
つまり長調短調の区別が付きづらいのです。
その結果として
omit 3rdは独特な雰囲気、浮遊感のような印象が生まれるという訳です。
長調や短調の概念が崩れるということは、
無調に向かうか、もしくは教会旋法民族音楽の世界になります。
 
一般的に歌にハモりをつけるとなると
3度(6度)で音が溶け合うようにハモることが多いかと思いますが、
この曲はハモりに4度を応用することで
民族音楽風の不思議な曲想を出しています。
Aメロで良く使われていますね。
 
 
しかし4度でハモりをつけていくと
ひとつの問題が発生します。
それは増4度です。
増4度は非常に不協和な音程とされているため、
7thコードでもない限り避けたほうが無難です。
 
そこでこの曲では上手いことに、
ペンタトニックスケールを使っているおかげで
増4度音程が出来ないようになっています!
こういうところにもペンタトニックスケールの利点があるんですね!
 
 
 
 
 
 
まとめると
 
・五音音階(ペンタトニックスケール)による増音程の回避
・4度ハモりによる民族音楽風のアプローチ
 
この2つのテクニックにより、
この曲の雰囲気や世界観を作り上げているということです!!
 
 
 
教会旋法や様々な国の音階は
調べてみると意外とアニソンに取り入れられている気がします。
アニメの世界は無限大ですからね!
いろんなジャンルの音楽が混在しているのが
アニソンの面白いところです!
 
 
 
また分析してほしい曲やリクエストなどありましたら
ツイッターからお気軽にどうぞ!
 
 
 
 
 
シューバッハ(@schu_bach)
 
 
 

今や誰もが知ってるカノン進行、現代ではその形を変えている?

 

こんにちは、シューバッハです。

今季アニメを少しずつ消化してます。

色々と面白いアニメが多いですが、やはりカバネリがめっちゃ面白いですね。

とりあえず今のところホモ展開は無さそうで安心してます()

 

 

 

さて、今回は皆大好き「カノン進行」についてのお話です。

 

カノン進行といえば

パッヘルベル作曲の「カノン」という曲に登場するコード進行のことで、とても美しいコード進行です。

Key:C majでいうと、

 

C → G/B → Am → Em/G → F →

Ⅰ →     Ⅴ   → Ⅵm→ Ⅲm  → Ⅳ →

 

ですね。

ベースが綺麗に順次下降しているのが特徴です。

「人間が最も心地よく感じる進行」なんて言われることもあります。

このカノン進行をロックやポップスといったジャンルに取り入れ、大ヒットした曲がたくさんあります。

そのため、今や定番のコード進行としてカノン進行はとても認知度の高いものになっています。

 

ちなみに皆大好きと言っておきながら

僕はカノン進行があまり好きじゃないです。笑

なぜならカノン進行が流行ったのは、すでに一昔前な気がするからです。

しかし未だに書店や楽器店でよく売ってるコード進行について書いてある理論書のようなものには、必ずと言っていいほどカノン進行が挙げられています。

 

じゃあ例えば曲を作る時、

 

やはり定番と言われ続けているのならカノン進行を使うべきなのか?

それとも現代においてカノン進行は時代遅れなのか?

 

皆さんはどちらだと思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どちらでもない、

俺はカバネリだ!!!!!

 

 

 

という冗談はさておき、

僕の意見としては

「どちらも正解であり不正解」

だと思います。

 

これはカノン進行に限った話でもなければ音楽に限った話でもないと思うのですが、

どんなに古くても良いモノは良いんです。

しかしそのまま使うのはやはり違うと思います。

時代に合わせて変化することも必要なのではないでしょうか!

 

 

事実、カノン進行は変化してきていると僕は思っています。

そこで、僕が今まで聴いてきたアニソンの中から

カノン進行から派生してきたと思われるコード進行をいくつか紹介してみたいと思います!

 

 

 

 

<パターン①〜フラッと寄り道!♭系カノン進行〜>

 

TVアニメ アイドルマスターOP 「READY!!」


アニメアイドルマスターOP「READY!!」

 

 

サビがカノン進行になっています。

が、途中で変化していますね。

 

f:id:schu_bach:20160518201131p:plain

    

 

従来のカノン進行だったら4小節目にはGm on B♭が入りますが、

代わりに5小節目のⅣ(A♭)に向かうためのⅡ-Ⅴモーションが使われています。

1〜3小節目と違い、

ここだけコードの切り替わりが2拍ごとになるのも良いですね。

下属調に向かうような進行なので、♭系カノン進行と勝手に呼んでます。

 

この曲の作曲者、神前暁さんの他の曲だと

かんなぎのOP「motto⭐︎派手にね!」で同じ進行が使われています。

 

 

 

 

 

 

 

<パターン②〜マイナーに寄っちマイナー!マイナー系カノン進行〜>

 

キルラキル 「シリウス


キルラキル OP

 

 これまたサビでカノン進行派生系が使われています。

 

f:id:schu_bach:20160518205306p:plain

 

しかし

これ、本当にカノン進行なのか…?

と思われるかもしれません。 

先ほどの♭系カノン進行よりコードの動きが多くなっているので

わかりにくいと思います。

むしろ人によってはこれをカノン進行派生系だと

言わない人もいるでしょうが、

このコード進行、よーく見てください。

 

各小節の頭のコードだけ抜き出してみましょう。

 

 

f:id:schu_bach:20160518205133p:plain

 

代理コードが使われていますが

ベースが順次下降しており、カノン進行が元になっていることが分かります!

 

原曲のコード進行を見ると、

2小節目の3拍目(G#7)度に向かうためのセカンダリードミナントが入っているので、

一瞬平行調C#マイナーに行ったような雰囲気になります。

カノン進行の明るさとマイナーの切なさが合わさった

ハイブリッドでカッコいい進行ですね!

 

 

 

 

 

 

<パターン③〜これぞ円環の理!転調型、カノン進行に導かれるカノン進行〜>

 

劇場版まどかマギカ 主題歌「君の銀の庭」 


君の銀の庭full 特別ver

 

 

f:id:schu_bach:20160518212236p:plain

 

 

さてこの曲のカノン進行、どうでしょう。

どこも変わったところは無いように思いませんか?

 

そうです、この曲は普通のカノン進行しか使われていません。

でも楽曲全体を聴いてみると、面白い仕掛けがあることに気づきます。

 

答えはAメロです。

Aメロのコード進行を見てみましょう。

 

f:id:schu_bach:20160518211329p:plain

 

なんと!この曲、Aメロでもカノン進行が使われていますね!

 

でもそんなにカノン進行使いまくって大丈夫なの?

 

と、思いますよね。

そこで!

この曲は転調をさせています。

転調することで同じ進行も新鮮に聴こえるようになり、

それでいて楽曲全体に統一感が生まれます。

 

3拍子のテンポ感といい、巡り巡る転調といい、

まさにまどマギの雰囲気に合っている素晴らしい曲だと思います!

 

 

 

 

 

 

カノン進行の派生系、いかがだったでしょうか?

今回紹介した3パターン以外にも

カノン進行の可能性はまだまだたくさんあると思います!

むしろまだ誰も発見していない派生系を見つけられたら、

新たなジャンルやサウンドの開拓にもなりそうですね…!

 

 

以上、現代のカノン進行について、でした!

 

 

 

 

 

六根清浄!!!!!

 

 

 

 

シューバッハ(@schu_bach)

 

グレートですよ、この曲はァ…「Crazy Noisy Bizarre Town」コードテンションを意識した巧みなメロディ

 
こんにちは、シューバッハです。
今回はリクエストがあったので
絶賛放送中のジョジョ4部のOP、
「Crazy Noisy Bizarre Town」
の分析をしていこうと思います。
 
 
 
<イントロ〜Aメロのコード進行>

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パッと見た感じ、Ⅰm7Ⅳ7を行き来するシンプルな進行が
目立ちます。
ところがダイヤトニックコードなら本来Ⅳ7Ⅳm7ですね。
Ⅳ7になっているおかげでドリアンスケールでも使っているかのような
不思議な響きになっています。
 
あえてⅣ7を使うとは… 
グレートですよ、こいつはァ!
 
Aメロ最後の小節のConDですが、機能としては
Ⅶ♭度(key:GmajのⅤ度)として考えていいと思います。
もしくはD7に解決するDsus4のような考えでもいいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
<Bメロ〜サビのコード進行>

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サビの4小節目、本来ダイアトニックならDm7ではなくD7なのですが、

 そのあとのG7C△7に向かうための度になっているため

D7Dm7にすることでⅡーⅤモーションが生まれています。

ドミナントの連結を続けるよりⅡーⅤのほうが柔らかい響きでオシャレですね。

 

サビはキーがEmから平行調Gmajになっているとは思うのですが、
一応2つのキーでのディグリーネームを書いておきました。

 

さて、ようやく本題に入ります。笑

メロディの話です。

 

これは個人的な持論なのですが、

例えば曲を作る時にこういったコード進行を調べて参考にすることがあると思います。

しかし、意外と同じようなコード進行を使って曲を作ろうと思っても

なかなかメロディが思い浮かばないことがありませんか?

僕は実際にそうやって行き詰まったことがあります。

原因として僕が考えるのは、分析をするときに

「そのコード進行に対してメロディがどういう音を使っているか」

というところまで気にしていないからだと思います。

やはりメロディあってのコードです。

メロディとコードの関係について、この曲を例に少し見てみましょう。

 

 

サビの最初のコードに注目してください。

コードはC△7です。

C△7の構成音は

 

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です。

 

ではこのC△7が鳴っている時、

サビのメロディはどんな音を使っているのでしょう。

 

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メロディの最初の音はですね。

C△7の構成音もう一度確認してみましょう。

構成音の中にの音は…

 

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無いですね…。

ということは

もしやメロディとコードがぶつかってる???

 

世の中…都合のいいことだらけじゃねえってことだなァ〜

 

 

 

…と、思いきや!

このの音、確かにC△7の構成音からは外れてるのですが、

C△7の上にそのままを重ねてみると…

 

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C△7(9)9thコードになりました!!

なので厳密にはここのコードはC△7ではなくC△7(9)が鳴っています。

実はメロディの音が上手いことテンションノート(9th)になっていたんですね!!!

 

 

メロディを気にせずコード進行だけ見ていたら気付かなかった…

 

グレートですよ・・・こいつはァ!!!!!!

 

 

メロディがテンションノートを担っていると

他の楽器と歌が溶け込みすぎず、それでいてキレイに重なりあうので

オシャレなコードとメロディが互いにカッコよく響いて聴こえます。

 

名曲と言われる全ての曲で

このケースが当てはまるわけではありませんが、

サビがテンションノートから入るメロディは

やはり独特の雰囲気があるので人の耳に残りやすく、

キャッチーに聞こえると思います。

 

 

 

では最後に

他にもサビがテンションノートから入る曲を

何曲かサラッと紹介して終わりにします。

 

irony

俺の妹がこんなに可愛いわけがないOP

 

サビのメロディが度の9thの音から入っています。

俺妹のOPがつまらないわけがない。

 

 

ウラオモテ・フォーチュン 


【SONG】月刊少女 野崎くん ED Full 『ウラオモテ・フォーチュン』

 

こちらもサビのメロディが度の9thの音から入っています。

小澤亜李ちゃん最近いろんなアニメ出てて嬉しいです…

 

 

Honey Come!!


城下町のダンデライオン ED

 

少しわかりにくいかもしれませんが、

サビに入ってから17小節目。「Honey Comeー!」の部分の

コードが1小節目と8小節目とは変わり、結果的にメロディが度の9thになります。

小倉唯ちゃんの強さを改めて思い知らされる曲だ…。

 

 

君にまつわるミステリー


【BD 1080p】氷菓NCED2「君にまつわるミステリー」

 

 サビのメロディが度の9thから入っています。

えるたそ〜

 

 

 

響きはオシャレなのにキャッチーさを感じさせる曲が多いですよね!

皆さんも曲を作るときや、

曲を聴いていてオシャレな曲だな〜と思ったら

このことを思い出してみてください!

 

 

 

ドララララァーーーッ!!!!

 

 

 

 

 

 

シューバッハ(@schu_bach)